大阪都構想に関して

大阪府と大阪市の二重行政弊害を打破する唯一の手段として、大阪の復権のために残されたのは大阪市を分割し特別区を設置する都構想であるとして、維新の会から提案されている。しかし、大阪における大都市制度は、府と市との連携が課題であり、大阪市域を特別区に再編し新たな行政課題を発生させるべきではない。

先般の地方自治法の一部改正により、指定都市制度は見直され、区の役割が充実し市長の権限に属する事務のうち、区に変えて総合区を設け、議会の同意を得て選任される総合区長をおくことができる。また、指定都市と都道府県の事務の処理について連絡調整を行うための調整会議を設置することとなっている。調整が整わなければ総務大臣による勧告がなされることとなっている。
このように、府市間調整や区長の権限増加をはじめ、大阪維新の会の主張する提案は、この法改正で大きく解消されるものである。

一方、現在の東京都における特別区制度は昭和22年の地方自治法改正で特別区が誕生し、区長公選制として始まったものの、廃止や復活により現在に至っている。この間、都区制度改革は幾度と議論されてきたが、いまだに課題を残したままである。特に、特別区と都の財政調整制度や区と都の事務の分担、そして、区域のあり方などについてではある。

東京における、千代田区、中央区、港区などに突出して集中する財源は、東京都にとっても大変貴重なものである。東京都においては、固定資産税、法人住民税の45%が東京都の財源となり、55%が特別区の財源となっている。その財源を各区における行政需要に応じて配分されている。

まず、二重行政の財政効果として謳われた四千億円の効果額も一億円足らずと見込まれており、大阪市の自主財源の多くは大阪府の財源とされ、特別区の自主財源は現在の四分の一に減少する。また、権限は市町村以下の権限しか与えられない。当初提案されていたものとは大きく異なっている。大阪市において、特別区による再編が進められれば、地域間格差による行政需要のアンバランスが発生し、新たな地域課題の発生が危惧される。

大阪市は他の指定都市に先駆けて都市行政と都市基盤整備を進めてきた。また、豊かな歴史と文化に彩られ、独自の文化が育まれてきた都市である。いつまでも、大阪人のこころが生きる街として、未来に希望をもてる都市として、この大阪の文化と伝統を大切にしていくべきである。

 

平成26年10月